親と教師のそういち就活研究所

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「そこそこのホワイトカラー」になるのもたいへんだけど

「そこそこのホワイトカラー」とは

今どきの就活に関して、親御さんや先生に(そして学生さんにも)最も伝えたいことのひとつに、「そこそこのホワイトカラーになるのも、じつは結構たいへん」ということがあります。

「そこそこのホワイトカラー」とは、私の造語です。それほど専門性の高くない、ある程度知的な内容の、安定した事務職のことです。企業の事務職や公務員の多くがこれにあたります。

私がお会いした学生さんのなかで最も多いのは「そこそこのホワイトカラー」志望者です。そしてそれは、世の中全体の傾向を反映しているはずです。

この記事を読んでいる親御さんにも「自分の子どもは“そこそこのホワイトカラー”になって安定してほしい」と思っている方は多いのではないでしょうか。たとえば地方都市に住んでいれば、「地元の中堅以上の大学を出て、市役所にでも勤めてほしい」といったことです。

その職に就くにはかなり厳しい競争がある

たしかに「そこそこのホワイトカラー」は、就職の有力な選択肢です。しかし、「そのような職に就くにはかなり厳しい競争がある」ということは、ぜひ知っておいていただきたいのです。

たとえば新卒学生向けの求人で、有名ではない中小企業の、おそらく女子を想定していると思われる「一般事務職」があったとします。

それが都市部の、比較的条件の良い求人であれば、そこに何十人もの女子学生が応募して、採用は1人2人などというのはよくあることです。

とくに地方では求人が限られる

そして「そこそこのホワイトカラー」の求人は、東京や大阪ならまだしも、その他の地域では相当に数がかぎられます。

そこで地方都市では、事務職志望の女子学生が地元の友人と「どこの会社を受けたか」の話をすると、「受けた会社が友人と大部分かぶっている」ということがかなりあります。

大都市ではそうはならない程度に、ある程度いろいろな選択肢がありますが、多くの地方都市はちがいます。

また市役所などの地方公務員(正規職員)をめざすとしても、やはりかなりの難関です。筆記試験に合格するには独学では難しく、予備校通いをするのが一般的です。

そして筆記試験に合格しても、相当な倍率の面接試験を突破しないといけません。自治体にもよりますが、かなりの場合、この面接試験の難易度は多くの大手企業と変わりません。

安易に「そこそこのホワイトカラー」を目指さない

ではどうすればいいのでしょうか? たしかに「たいへん」ではありますが、やりようはあります。

ひとつの方向性は「そこそこのホワイトカラー」になる選抜を乗りこえるために、応募書類や面接などについてさまざまな対策を打つこと。つまり、労力をかけ工夫して取り組むことです。

そして、もうひとつは「ホワイトカラー」以外の選択肢にも目を向けることです。

これらについての具体的なことは、このブログの各所でこれから述べていきます。

いずれにせよ、ばくぜんと安易に「そこそこのホワイトカラー」を目指すのは、望ましくありません。山の高さや道の険しさを知らないまま山登りをするようなものです。

 

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