大前提・活動すればなんとかなる
この記事を書いている3月の時点で、まだ内定を得ていない学生さんもいることでしょう。卒業年次の大学生等の8~9割は、年度末までに就職などの卒業後の進路が決まります。今の時点で決まっていない方は不安を感じるとは思います。
しかし、就職活動を続ければ、あるいはこれから始めれば大丈夫!
何年も学生・若者の就活カウンセラーをしてきた私としてはそう断言できます。
就職活動を続けている人のなかには、3月の末に内定を得て、4月の入社式に間に合ったという人もいます。
さらに、卒業時点で就職先が決まらず、その後も就職活動を続ける人を「既卒生」といいますが、既卒生の大半が卒業後3~4か月以内に就職先を決めています。とくに多くの人が決まるのは卒業後の1~2か月。
これは、これまで私が何百人もの既卒生の方々の支援してきたなかでの経験によるものです。ただし「就職活動をしっかり行う」ことが前提です。
既卒生は、就職活動さえすればなんとかなる!
これはまず大前提として強調したいことです。
活動のポイント1 支援を受ける
そこで、既卒生が活動するにあたってのポイント。
まず、就職活動を1人で行わず、専門組織の支援を受けることです。
既卒生の方、あるいは年度末に私が初めてお会いして支援をするようになった方は、これまで支援を受けてこなかった(あるいは支援を受けるのに消極的だった)という人が多いです。
しかし、これからは上手に支援を使うことを考えてはどうかと思います。
私はこれまで既卒生の方たちを支援するなかで「1人で就活をしないで、はやく相談に行けばよかった」と、100回は言われたことがあります。
ただ、大学のキャリアセンターは、既卒生への支援に消極的なことが多いです。あるいは「卒業生はキャリアセンターには行きにくい」ということもあるでしょう。
まず公的なサービスの利用を
そこで、公的な就活支援の利用を考えたらといいと思います。今のハローワークには「新卒応援ハローワーク」という、卒業年次の大学生等と既卒生を対象とする支援の組織があります。各都道府県に1~2か所の新卒応援ハローワークがあり、検索すれば出てきます。
また、都道府県によっては、自治体関連の組織による若者の就活支援も行われています(たとえば東京都の関連の、東京しごとセンター)。
民間の就活エージェントもありますが、第一の選択肢としては公的なサービスを私はおすすめします。
就活エージェントは、求人を出している企業から報酬を得ています。就活エージェントの担当者には、利用者のことをきちんと考えてくれる人もいるでしょうが、事業の構造として利用者(就活生)本位を貫くにはやはり限界があります。
こういうサービスを、社会経験のない学生や既卒生が使いこなすのはむずかしいところがあります。
公的サービスには限界があるが
一方で、公的なサービスにはたしかにいろんな限界があるでしょう。公的機関の支援というのはクスリや治療にたとえれば「やわらかい効き目」かもしれない。
しかし、大学等を卒業したばかりの若者は、就職市場全体でみれば、おおいに需要がある人材です。中高年とは全然ちがいます。「未経験の若者が有利」というのが日本の就職市場。だから、一定の支援があれば何とかなるものなのです。
ということは、一定の支援がなくても何とかなるかもしれません。でも、無料の公的支援があるなら、それを利用したらいいと思います。
民間のエージェントを利用する場合には、セカンドオピニオンとしてハローワークなどの公的なサービスを利用するということも考えられます。
ポイント2 中小企業に目を向ける
そして既卒生の就活のもうひとつのポイントは、中小企業にも目を向けるなど、応募する企業の範囲を広げることです。これは、これまで大企業を中心に就活をしてきた人にとくに言いたいことです。
大企業、とくに人気のある大企業は、既卒生にとっては一層狭き門になります。これは残念ながらきびしい現実です。そこで、中小企業にも目を向ける必要がある。
中小企業の新卒求人の多く(私の経験では6~7割かそれ以上)は、既卒生の応募も可能です。選考では新卒の人のほうがやや有利ですが、多くの場合既卒生が大幅に不利ということでもありません。既卒生にチャンスがあるのです。
さらに、既卒生の方は中小企業の社会人向けの求人に応募できる場合があります。これは、社会人向けの求人のなかの「未経験の若手(20代後半くらいまで)を採りたい」という求人です。そのような「未経験の若手募集」の求人も、既卒生は視野に入れるといいです。
では、中小企業の求人はどこでみつけるのか? さきほど述べた支援機関は、自分たちの求人を持っているので、情報提供してくれます。とくに、ハローワーク求人は中小企業求人のデータベースとしては最大のものでしょう。
中小企業の求人の特徴などについては、以下の記事をご覧ください。
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年度末でも就職先が決まらない、既卒生として就活をしなくてはならないという方は、たしかに不安ではあると思いますが、大丈夫です。私は相当な経験を積んだ専門家として、自信を持ってそう言えます。
これからきちんと就職活動をすれば、多数派の人よりもほんの少し遅れて社会人になるだけのことなのです。たとえ卒業後3~4か月で決まらなくて、もう少しかかったとしてもです。
それは若いときには、大きなことに思えて無理はありません。でも、働き始めてしばらくすればたいしたことではなくなります。
だから、ぼちぼちでもいいから、就職に向けて動けばいいと思います。支援の組織を利用したことがないなら、ネットでみたり電話したりしたうえで、ぜひ行ってみてください。
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