親と教師のそういち就活研究所

親・先生などの、若者の近くにいる大人のための就活講座のブログです。でも就活生にも役立つかと。

年明け以降も就活を続ける未内定の学生さんに一番伝えたいこと

未内定学生はこれから

年が明け、もうすぐ年度末というシーズンになっても、就職活動を続ける卒業年次の学生さんたちはいます。この人たちをここでは「未内定学生」と呼ぶことにします。そこには「すでに内定はあるが納得がいかず、就活を続けている人」も含みます。

例年、年明けの頃には卒業年次の大学生の8~9割が就職先などの進路を決めています。だから、少数派である未内定学生やその親御さんは、心配・不安で当然です。 

そこでまず申し上げたいのが、

「未内定学生さんも、これから頑張って就職活動を続ければ、いずれ一定の納得がいく就職ができる」

ということです。

「一定の納得」というのは、有名人気企業をはじめとする多くの大企業の内定というのは、やはりむずかしくなるからです。

未内定学生さんがこれから受けるとすれば、基本的には中小・中堅の企業(以下中小企業という)にならざるを得ません。しかしその中小企業のなかでは、いろいろな選択肢はあります。

「落伍した」と思う必要はない 

そういう「一定の」条件があるにせよ、未内定学生さんが「自分は社会から落伍してしまった」などと落ち込む必要は、まったくないということです(そもそも就活生の多数派は中小企業に入社するということも、つけ加えておきます)。 

どうしてそういえるのか。それは、私が大学生の就活について経験のある、それなりの専門家だからです。

私は9年の実務経験で、600人ほどの就活生の支援をしました。この「600人」は、何度もお会いして支援した方の人数で、1回だけのセミナーや面接練習なども含めれば、支援した方は数千人になります。

そして、この「600人」や「数千人」の3割ほどは、未内定学生さんか未就職で卒業した「既卒生」の方たちです。この人たちが就職するのを何百回もみてきました。自分が直接お会いした方以外にも、所属する組織の情報共有を通じさまざまな事例について知っています。

それらの経験などをもとに「未内定学生さんは、これから活動すればちゃんと就職できる」と言い切れるのです。

経験のある人たちはわかっている

個々の未内定学生さんや既卒生の方たちが、自分の経験などから同じことを述べるのをネット上でときどき拝見しますが、私も「その通り!」と強く思います。

そして、大学生の就活について一定の経験がある専門家なら、未内定学生について、ここで述べたような認識(未内定学生はいずれ就職できる)を誰もが持っています。

しかし、世間一般ではその認識は共有されていない。未内定学生という存在が目立たない少数派で、マスコミでもあまり取り上げないからではないかと思います。

 就活を続けよう

くり返します。「未内定学生さんは、これから活動すれば就職できる」。

ただし、もちろんですが「就職活動を続ける」ことが前提です。つまり、受かる可能性のある会社をさがして、応募書類を丁寧につくって送り、準備をして面接にのぞむことを、何度もくり返す必要はあります。

1度か2度の応募で、納得のいく会社に受かればそれが良いのですが、なかなかそうはいかないでしょう。ただし、1~2社あるいは数社受けたくらいで決まる人も、決してまれではありません。受ける企業の選択やマッチングしだいです。

 しかしそれでも、今が2月だとして、数か月以内(来年度の6月頃まで)には、未内定学生の大部分が内定を得て就職していきます。

就活を続けた人は何とかなっている

私が何度もお会いして支援した方たちの場合、未内定学生さんの8割がたが6月頃までには就職が決まって、笑顔でお別れできています。つまり大部分は「何とかなっている」ということ。

残りの2割の方たちも、秋頃までには大分部が決まります。ただし少数の方は、就活がストップしてしまうこともあります。それでも「来年の公務員を受ける」「大学院への進学」などのコース変更的なケースが多いです。

以上、私の経験での大雑把な傾向を述べましたが、これはあくまで「就職活動を続けた人たちの数字」であることには、ご注意ください。

未内定学生のなかには、いわゆる「心が折れた」状態になって就活が止まってしまうケースもあります。

そうなっても、またどこかで就活を再開すれば、それなりに何とかなるとはいえます。しかし、やはり止まってしまうことなく、就活を続けてほしいのです。

 年度内に決まらなくても何とかなる

ただ、「(2月から数えて)数か月以内」「翌年度の6月頃までには」というと、「年度内に決まらないの?」と思う方は当然いるでしょう。

たしかに年度内に内定が決まるほうが望ましいし、実際に2月・3月に内定して4月初めにあわただしく入社というケースもかなりあります。年度末が近くなっても、新卒の採用活動は(ピークのシーズンよりも大幅に減ってはいますが)たしかに行われているのです。

しかし、3月末までに内定が得らずに、4月初めよりも数か月遅れで入社したとしても、その後のキャリアに格段に大きな不利が生じるとは、私は思いません。

これは中小企業の新卒・若手採用の実態として、そうなっているのです。

大企業の新卒採用では、主流である「(総合職としての)定期採用」以外での入社が、その会社でのキャリアにおいて大きく不利になってしまうことが多くあります。

しかし、例外はあるものの多くの中小企業では、そうではないです。ばくぜんと「未経験の新卒・若手採用」というカテゴリーがあるだけです。

入社時期が数か月ちがうこと自体が、大きな意味を持つことは少ないのです。それは「数か月仕事をはじめるのが遅かった」だけであって、何年か働くうちにどうでもよいことになってしまう。

つまり、「年度内に決める」ことはもちろん目指すとしても、もしそれができなくても何とかなるということです。

 1人で就活をしない、志望の範囲を広げる

以上のことを、未内定学生さんとその周囲の方はまずは知っていただきたいと思います。「だいたいは知っていた」という方は、意を強くしていただければ。

そして、未内定学生さんの就活活動をどうするかについて、とくにいいたいのはつぎの2点です。

・1人で就活をしない、支援をうまく使おう
・中小企業にも目を向けるなど、志望の範囲を広げてほしい

これらについては、下記の関連記事で述べています。今回は「いたずらに失望や不安におちいらないでほしい」ということです。 

 

関連記事