親と教師のそういち就活研究所

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自己分析を気軽に考える・「4つの領域」から自己PRの材料をさがす

自己分析は、要するにネタさがし

エントリーシート、自己紹介書の核となる「自己PR」。そして自己PRの準備作業として行う「自己分析」。 

自己分析とは何か。それは、就活にあたって「企業に自分を伝える内容・材料」を考えることです。

もう少し言うと、
・企業に説明できる自分の特徴や強みを明確にすること
・そのための材料(エピソードなど)を整理して書けるようにすること

要するに、自己分析とはエントリーシート(自己紹介書)の自己PRの欄に書くための準備作業・ネタさがしです。そしてそこには「企業に説明する」という前提・目的がある。

自己を深くを知ろうとしなくていい

これは、わざわざ「自己分析」というほどのことでもないのかもしれません。「分析」などと構えてしまうと、何を企業に伝えるべきかわからなくなることもあります。

それは「自己の深い本質を知る」ということとはちがうのです。そうではなく、自己PRという説明のための、単なる材料集めなのです。

学生さんのなかには、子ども時代からの自分の歩みや想いをくわしくふり返ってノートなどに書いてくる人も(たまにですが)います。でも、そんなふうに「深く自己を探求する」ことは必要ありません。

「他人よりもやや特徴がある」何かでいい

そしてさきほど「自分の特徴や強みを…」と言いましたが、それは「特別なすごいこと」である必要はないです。「他人よりもやや特徴がある」くらいの何かで十分です。

イメージとしては「学年やクラスで1番」である必要はなく、「(40人のクラスなら)上位の10人に入るくらいの優位や特徴でいい」ということです。場合によっては「上位半分」とか、もっとゆるやかに考えてもいいかもしれません。

もちろん全国大会で優勝したとかインターハイで活躍したというなら、それは材料になるでしょうが、そうでなくていい。

もっとささやかな「アルバイト先の小さな店で頼りにされている」「授業できれいにノートをとっていて、友人から貸して欲しいとよく頼まれる」くらいの材料でも、自己PRは十分成立しうるのです(書き方の工夫も要りますし、それでは足りないこともありますが)。

材料は4つの活動領域から考える

エントリーシートの自己PRの文章は「自分の特徴・強みは何か」→「それを説明するエピソード・材料」でおもに成り立っています。

この「エピソード・材料」を選ぶには、つぎの4つの活動領域に分けて考えてみましょう。

1.学業関係(ゼミ、一般教養などその他の授業、留学など)
2.部活・サークル・委員など、学校での授業以外の活動
3.アルバイト、ボランティア
4.その他の学外での活動
(町内会などの地域活動、家庭内で特別な役割を担った、資格・スキル取得のための学習、趣味の活動、SNS等々)

4つの領域から2つを選ぶ 

以上は、要するに学生の活動領域の見取り図です。これら4つの項目から、まずは1つ、つぎに2つ以上の材料を考えましょう。

「2つ」というのは、エントリーシート(自己紹介書)の3大質問項目のうちの2つの項目――「自己PR」「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」に対応するためです。

そしてこの「2つ」の材料は、上記1~4のうちのひとつの項目に偏らないようにします。

つまり「自己PR」で「2.サークル」の領域からの素材を使うなら、「ガクチカ」では「2.サークル」以外の領域――「1.学業」「3.アルバイト、ボランティア」などからにするのです。「自己PR」も「ガクチカ」も、たとえば同じ「サークル」でのエピソードというのは避けたほうがいいです。

エントリーシートでは、限られた紙面のなかにその人のさまざまな「引き出し」を表現することが重要です。「それしか材料がないのか」と思われるのは、やはりマイナスです。

優先順位は「1→2→3→4」

また、「1~4の各項目から」と言いましたが、優先順位としては「1→2→3→4」の順番で考えるのがいいでしょう。これは「学生の本業」「学生ならでは」の指数が高い順です。

そして、できれば「1~3」から考えたほうがいいです。「1~3」は「学生ならでは」という性格が強く、「4」はどちらかといえばそうではないからです。

「1.学業」をスルーして考える人は多いですが、「自分に学業でアピールできる材料がないか」については、ぜひ考えてみるべきです。学業でアピールできる学生を評価する企業は、少なくありません。

大学時代のことでないとダメか?

それから、「大学時代のことでないとダメですか?(高校時代のことなら材料があるんですが)」という質問も、たまにあります。

これはやはり、大学時代などの直近の状況から語ることを極力行ってほしいです。企業が知りたいのは今現在の学生さんについてですので。

ただし、高校時代でとくに熱心に部活(とくに体育系)を行い、それが現在の自分の基礎として重要である、というのであれば別です。その場合は、高校時代のことを自己PR・ガクチカの素材にすることもあります。

しかしその場合でも「高校時代の経験が今の(大学時代の)自分にどう生きているか、今の自分はどうであるのか」を説明することは欠かせません。

あるいは100人規模の組織のリーダーとして頑張ったのではなく、ほんの数人のまとめ役でも、その体験は内容や書き方しだいでちゃんと自己PRになり得ます。

とにかく自己分析については、「おおげさに考えない」ことがまず大事です。

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